人間性と練習:7月7日(月)のレッスン日誌
ウィンブルドン男子ファイナル、ナダル対フェデラー。
ナダルが制したこの闘いは、とても言葉では言い表せないドラマでした。自らが持つ弱さ(と彼らが感じているもの)と完全に向き合ってきた二人・・。恐らく、自分が勝つ、負ける、ということより、自分自身が築き上げてきた壁と対面することこそが、彼らの、コートでするべきことだったと思います。
テニスという競技は、正直、テニスを知らない人にとっては、長い時間見れるものではないと思います。一発逆転のないスポーツ、いつスーパーショットが出るのかわからないスポーツ、いつ終わるのかがわからないスポーツ。しかし、この闘いは、そんなことを超越した『時間』だったと思います。こんな闘いは、滅多に観れるものではない、と感じ、中断を挟んでも5時過ぎに終わるまで観続けていました。
素直で、人間性が素晴らしい二人の闘いだからこそ、テニスというスポーツの競技の面白さというよりも、人間としての彼らを感じることができた試合でした。きっと、これを観ていた子どもたちは、もっと敏感に感じ取ったと思います。
テニスを子どもたちに指導している理由が、少し見えてきた気がしました。
【チャレンジャーズ】
4人が参加。今にも降りそうで、雷がゴロゴロとなっている空の下、元気よく参加してくれました。
ウォームアップでは選手コースが行っているものを踏襲した『ちびっこ版』を用意して行いました。ボールに慣れるトレーニング、サーブ、ストロークのドリル、コーチとのラリーを。練習中に体力をつけることと、チーム意識を持つこと、基本動作を改善することを考えてボール拾いを含めた練習を組んでいます。
【強化】
5人が参加。木村氏も練習を見ていただき、選手に助言をしてくれていました。最近はお互いに声が出せる、チームとしての練習ができるようになってきました。選手同士お互いに声を出せることは、良い意味で、手を抜けない練習となります。程よく手が抜けるのです。お互い、わざとミスをしているわけではありません。それを分かっていても、「ミスを減らそう!」と相手に言う。このことが大切なのだと思います。そこには、「オレもがんばるからさあ!」という意味が込められているのです。
2時間の練習のうち、約1時間はいつものスキル習得ドリル。後半はパターン学習ドリルです。スキル習得ドリルには身体の動作を改善するための決められたウォームアップと、パターンの学習を加速するためのトレーニング、ミスの原因となるチェックポイントを意識しながら行うラリーが含まれています。100%ではなくても、彼らも理解して、自らをチェックしながら練習できるようになってきたようです。自分で考えながら練習できるように、この段階では90%はコーチはノータッチです。
勝つ、負ける、ということよりも、練習でやってきたことが試合で反映されることが、指導者の願いです。選手個々の意識によってコントロールさせる部分と、無意識的に作用する部分。それらが両方あって、限られた時間でのパフォーマンスアップにつながるのだと、思うのです。
彼らの成長が、今とても愉しみです。
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