自分がやりたいことを優先して、やりたくないことをしない。こどもの特徴でもあると思いますが・・・これは、一つのことに集中できるけど、二つ以上のことになると、対応ができないからかもしれません。これは、人や自然とふれあう環境が少ない子に多い気がします。
例えば誰かと一緒に遊ぶときには相手のことも考えながら遊ぶことが求められますが、一人でおもちゃと遊ぶときには自分の思うように遊ぶことができます。ただ遊びに集中するのではなく、『相手がいる』という条件の中でお互いに楽しくやることは、相手への思いやりが大切です。話しながらやったり、弱い相手に有利なようにルールを作ってあげたり・・・実はそういうコミュニケーションが運動能力につながるのです。テニスはボールに集中してプレーをしますが、相手の動きのことも察知しながらボールを打ったり、風も考慮に入れたりしないと勝てないものです。
人や自然は、常に変化をするものです。人なら気分、自然なら気象。それに対応しながら、遊びを楽しめる人は、自然といくつものことが同時に起こってもこなすことができる。当然、社会ではそのような人が求められますね。
そのような能力を身につけるトレーニングには、ぜひスポーツを活用しましょう。例えばキャッチボールをするときには投げる側は「2+1は?」と言いながら投げ、取る人が「3!」と答える。そんなちょっとした工夫だけでOKです。また、私の考案したエブリィテニスの『てのひらけっと』は表裏で色が違いますので、「青!」と言われたら青の側で打ち返し、同時に相手に「赤!」と打ってほしい側の色を指示する、などの使い方で、このトレーニングになります。テニスのように打ち合いが難しい年齢(6歳未満)でしたら、ボールを転がすことでもOKですね。
自然と親しみ、人と話をする。そんな当たり前のことで、周りのことを思うやさしく強い子になるかも知れませんね。